米Aruba Networksは12月7日,沖電気工業(以下OKI)との協業を含むFMC(fixed-mobile convergence)分野の製品戦略を発表した。現状のVoice over WiFi(VoFiと呼ぶ)機能をフェーズ1および2に位置付けて,2008年のシームレスなFMC環境の実現(フェーズ5)までの強化項目を明らかにした。

 Aruba製品の特徴は,無線LANのアクセスポイントを束ねる「mobility controller(MC)」に各種の機能を搭載することで無線LANシステム全体の機能を高めていることにある。今回発表した機能強化策もMCの機能強化が中心となる。現在提供できている機能としては,中継データ別のQoS(Quality of Service)およびパケット・フィルタリング機能(フェーズ1)と通話中のユーザーが他のアクセスポイントのエリアに入っても通話を継続するための動的な帯域予約機能(フェーズ2)などがある。

 2007年第1四半期に予定するフェーズ3では,VoFiで通話しているデュアル端末を持ったユーザーが無線LANエリアから出てしまったときにその通話を携帯電話で継続させる機能をMCに持たせる。MCがユーザーのデュアル端末の電波感度をチェックし,無線LANで通話できなくなる前にデュアル端末あてに携帯電話をかける。その上で,MC上で通話先を無線LANから携帯電話にスイッチする。2007年第2四半期にはキャリア向けのVoFi収容装置を用意する(フェーズ4)。

 OKIとの協業は,NGN分野におけるワイヤレスセキュリティに関するもの。Arubaのセキュリティ技術をOKI製品に取り込んでいくほか,日本と中国を中心とする国際的なマーケティングとチャネル開発でも協力する。OKIとの協業に至った理由としてArubaのドミニク・オーCEOは,「第一はOKIがSIPベースのIP電話システムの技術を持っていること。第二は金融やキャリア,あるいは中国市場での販売実績があること,第三は篠塚社長との間に長年に渡る信頼関係があること」をあげた。篠塚社長とは,オー氏がHPに在籍していたときにUNIXサーバー関連のビジネスで協力し合ったことがあるという。