写真1●データ通信専用ユニット(円のなか)
写真1●データ通信専用ユニット(円のなか)
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写真2●イリジウム携帯電話機
写真2●イリジウム携帯電話機
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 米イリジウム・サテライトは2008年3月に小型で安価な携帯電話機を発売することを明らかにした。現行の端末が大きくて重いという不満に応える。

 イリジウムは66機の周回衛星を使い,ほぼ地球全体をカバーする衛星通信サービスで98年11月にサービスが開始された。国内では日本イリジウムが設立され,サービスを提供していた。しかし,投資した費用が莫大で,そのわりに加入者が伸びないため経営が危うい状況になっていた。その影響を受け,日本イリジウムは2000年3月に終了していた。その後,当初サービスを提供していた米イリジウムからイリジウム・サテライトに経営が移り,国内では2005年6月からKDDIネットワーク&ソリューションズがサービスを開始している。

 イリジウム・サービスのターゲットは当初音声中心であったが,データ通信に比重をシフトしてきている。昨年開始したデータ通信専用サービスが好調で「約7万ユーザーが契約」しているという(写真1)。海などに浮かべるブイや輸送コンテナなどのトラッキングに利用されている。また,米陸軍兵士も装着しているという。

 ただ,音声通信用の携帯電話機は,幅62×奥行き59×高さ158mm(アンテナ収納時),375gと,衛星通信という事情を考えても大きくて重い(写真2)。また,価格は「米国で1400ドル」と高い。そこで,携帯電話としての利用を促進するために,小型軽量化して低価格の端末を2008年3月に投入するという。