写真 遅延時間が短いというFLASH-OFDMの特徴をオンライン・ゲームでアピールする米クアルコム
写真 遅延時間が短いというFLASH-OFDMの特徴をオンライン・ゲームでアピールする米クアルコム
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 中国・香港で開催中の「ITU TELECOM WORLD 2006」で,米クアルコムが米マイクロソフトのゲーム機「Xbox360」をブースに設置している。これは,クアルコムの無線ブロードバンド技術「FLASH-OFDM」をアピールするための仕掛けである。

 具体的には,Xbox360をFLASH-OFDM対応の装置を介してネットワークに接続し,来場客がオンライン・ゲームを遊べるようにしている。実際に操作すると,有線でのネット接続とそん色ない体感速度でゲームが動作することが分かる(写真)。一見何ということのないようだが,実は遅延時間が短いFLASH-OFDMだからこそできる芸当だという。

 広域での無線パケット通信は,一般に遅延時間が長くなりやすいため,これまではレスポンスに厳しいオンライン・ゲームなどで利用するのは難しいとされてきた。これに対しFLASH-OFDMは,30ミリ秒程度の遅延時間を実現。IP電話なども実用に十分耐えられる。

 クアルコムは,FLASH-OFDMの機能強化を積極的進めている。変調方式に256QAM(256 quadrature amplitude modulation)を採用した新版では,周波数帯域幅1.25MHz当たりのスループットを下り5.3Mビット/秒に高めている。海外ではドイツのTモバイルが一部地域でサービスを展開中という。