カナダNortel NetworksはUMTSアクセス事業を3億2000万ドルでフランスAlcatel-Lucentに売却する。両社が最終合意に達したことを,Nortelがカナダで現地時間12月4日に明らかにした。取引は現金で行われ,年内の手続き完了を目指す。

 なお,今回の資産売却について,両社は9月1日に拘束力を持たない了解覚書(Memorandum of Understanding:MOU)を交わしていた。

 Nortel社長兼CEOのMike Zafirovski氏は,「取引が完了すれば,当社は優先度の高い戦略的事業にリソースを増強することができる。一方Alcatel-Lucentは優れた技術を人材を投入してUMTSアクセス市場で成功するだろう」と述べた。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,NortelのUMTSアクセス事業は売上高が全体の10%に満たず,業績が悪化していた。Alcatel-Lucentは同事業の特許および技術のほか,第3世代(3G)通信事業者16社との顧客契約を取得する。また同社に移管される従業員約1700人の大半が,フランス,カナダ,中国の研究開発エンジニアだという。

 Nortelは今後,WiMax,EV-DO Revision C,LTEといった,同社が「第4世代(4G)」と呼ぶ技術に注力する。また,CDMAやGSM技術関連の顧客向けサポートも継続する(米InfoWorld)。

 ちなみにAlcatel-Lucentは,フランスAlcatelと米Lucent Technologiesの合併を経て,12月1日に発足したばかりである(関連記事)。

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