米IBMは米国時間12月5日,オランダのリスク管理ソフトウエア・ベンダーであるConsulを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにしていない。取引は2007年第1四半期に完了する予定。

 Consulは,オランダのデルフト本社のほか,米バージニア州ハーンドンに主要拠点を持つ非公開企業。米Ford,米Kroger,米Office Depot,米Hanesなど世界に350以上の顧客を抱える。同社の法規準拠およびセキュリティ監査向けソフトウエアにより,企業はIT管理者やほかのユーザーによる未承認の行為などを追跡,レポート,調査することができる。

 同社ソフトウエアは一元的な管理が可能で,IBM製メインフレームをはじめとした各種システムに対応する。法規準拠のための内部統制プロセスを監視し,例えばデータが不正アクセスを受けた場合や,違反行為があった場合に警告を自動的に発する。

 「多くの企業は,どの従業員が特定の重要情報ソースにアクセスする必要があるか明確に把握していない。米情報機関とソフトウエア工学研究所CERT/CCの調査によると,社内セキュリティ侵害の86%はIT管理者やベンダー,コンサルタントといったアクセス権の高いユーザーあるいは技術知識のあるユーザーが関与しているという」(IBM)

 IBMはConsulを買収することで,「Service Management」事業の強化を図り,メインフレームおよび分散化環境にわたるデータ・ガバナンス,コンプライアンス・モニタリング,レポーティングといった主要機能を追加する。

 なお,買収完了後のConsulはIBMのTivoliソフトウエア部門に移管される。

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