写真1 WiMAXで受信した動画データを映し出すノート・パソコン。常時18Mビット/秒以上のスループットが出ていた
写真1 WiMAXで受信した動画データを映し出すノート・パソコン。常時18Mビット/秒以上のスループットが出ていた
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写真2 モバイルWiMAXの基地局システム
写真2 モバイルWiMAXの基地局システム
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 中国・香港で開催中の「ITU TELECOM WORLD 2006」で,富士通は無線ブロードバンド技術の一つであるモバイルWiMAXを使ったビデオ伝送のデモを実施している。同社はデモにより,モバイルWiMAXで高品質映像を問題なく伝送できることをアピールした(写真1,写真2)。

 デモの内容は,動画用サーバーが送り出した18Mビット/秒の映像を,モバイルWiMAXの基地局システムで伝送し,そのデータをノート・パソコンで受信するというもの。伝送用に10MHz分の帯域を割り当て,変調方式には64QAM(64 quadrature amplitude modulation)を利用している。

 無線区間の距離はブース内の一部だけに限られ,さらに効率の高い変調方式を採用している。このためかなり理想に近いスループットが安定して出ている。富士通によると,実際の環境でも数Mビット/秒後半の伝送速度が確実に期待できるという。

 デモに使われた富士通の基地局システムの特徴は小型なこと。システムを無線部分の「RF 100/200」と地上部分の「BB 100」の二つのユニットに分離。これにより,PHS基地局と同様に装置を屋外に簡単に設置できるサイズにした。また,小型化するには装置の発熱量を抑える必要があるが,高効率の増幅器を採用することで解決しているという。