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 米Xeroxは,紙に印刷した画像が24時間以内に消える印刷技術「erasable paper」(消去可能な紙)を開発した。Xeroxが米国とカナダで現地時間11月27日に明らかにした。画像が消えた紙は,繰り返し印刷に利用できる。

 erasable paperは,特定の波長の光を当てると色が現れ,その状態で放置しておくと色が消える化合物を利用する。特定の波長の光を紙に照射する専用のプリンタを使い,この化合物で特殊な紙に印刷すると,印刷画像が目に見えるようになる。

 現時点では,紙面の画像は16~24時間放置すれば消える。また,加熱するとすぐに消える。

 Xeroxの調査によると,オフィスで印刷される紙のうち5ページに2ページの割合で,電子メールやWebページ,簡単な文書など1回読むだけの目的で印刷され,1日以内に捨てられてしまうという。erasable paperが実用化すれば,「紙の使用量を大幅に削減できる」(Xerox)。

 ただし同技術はまだ初期段階にあり,Xeroxは「研究をしばらく続ける」としている。

 米メディア(New York Times)によると,erasable paperで1枚の紙に繰り返し印刷できる回数は現在のところ最大50回で,Xeroxの研究者らはこの制限が純粋に紙自体の耐久性に起因するとみているという。

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