米AMDは米国時間11月14日,高性能コンピューティング(HPC)専用のプロセッサ「Stream Processor」を発表した。同プロセッサは,ワークステーションやサーバーなどの演算専用のシステム向けに設計されたもの。「Close To Metal(CTM)」と呼ばれる新しいインタフェースを採用しており,財務分析や地震研究のマイグレーション解析,生命科学研究といった分野における処理性能を向上できるという。

 Stream Processorは,数百万のピクセルを演算してレンダリングする3Dグラフィックス・アプリケーションで普及している超並列プロセッサを活用する。そのため,膨大な量のデータを大幅に短時間で処理できるという。

 また,CTMの導入により,従来の3D APIに対してアプリケーションの処理速度を最大で8倍まで加速できるという。CTMを通じて,開発者はStream Processorが持つ超並列処理要素のネイティブ命令セットとメモリーに自由にアクセスできるようになる。CTMにより,Stream Processorを現在の中央演算処理装置(CPU)のようにプログラミング可能なオープン・アーキテクチャとして使用できるという。

 Stream Processorは,Stream Computing向けに1GバイトのGDDR3メモリーを搭載したPCI-Expressベースのアドイン・ボード。Stream Computing特有の問題を処理できるようにメモリーを最適化している。AMDは,サーバー実装を視野に入れたOSサポート,技術サポート,3年間保証なども提供する。

 Stream Processorは北米において,すでに代理店経由で販売されている。また,GraphStream,PANTA Systems,Rackable Systemsなどが,同プロセッサを採用するストリーム・サーバーの新製品を市場投入している。

発表資料(1)
発表資料(2)