英Sophosは現地時間11月6日,2006年第3四半期(7月~9月)におけるスパム(迷惑メール)の調査結果を発表した。インターネットに設置した同社システムでスパムを収集し,その送信元などを集計して公表した。それによると,米国からのスパムが2割以上で最も多かったという。
同社では四半期ごとに「スパム送信(中継)国ワースト12」を公表している。今期のワースト12は以下のとおり(カッコ内は全スパムに占める割合)。
1位 米国(21.6%)
2位 中国(13.4%)
3位 フランス(6.3%)
3位 韓国(6.3%)
5位 スペイン(5.8%)
6位 ポーランド(4.8%)
7位 ブラジル(4.7%)
8位 イタリア(4.3%)
9位 ドイツ(3.0%)
10位 台湾(2.0%)
11位 イスラエル(1.8%)
12位 日本(1.7%)
(その他 24.3%)
数年前から米国の1位と中国(香港を含む)の2位は不動だが,ここ最近では両者の差は縮まってきていた。ところが今期は再び差が広がったという。その原因の一つとしてSophosでは,英語圏で感染を広げている「Stratio(Stration,Warezov)」ウイルス(ワーム)を挙げている。Stratioには300以上の亜種が出現している。亜種の中には,感染パソコンを乗っ取って,スパムを中継するボットネットを形成するものがある。この影響で,英語圏――特に米国――からのスパムが増えたと推測している。
また,今期の傾向として画像スパムが増えていることを挙げている。画像スパムとは,メール本文にテキストをほとんど含まず,画像だけがメールに張り込まれている(添付されている)スパムのこと。同社のデータによると,10月末に全体の4割を超えたという。同様の傾向は,米McAfeeなども明らかにしている(関連記事:急増する“画像スパム”,1年で全体の1%から40%に)。