「自身のオンライン行動に関して監督する権限があるのは,直属のマネージャであって,IT部門ではないと考える従業員が多い」。米Cisco Systemsが米国時間11月6日,在宅勤務者など社外で業務を行うリモート・ワーカーを対象とした意識調査の結果を発表した。

 米国,フランス,オーストラリア,ブラジル,中国,英国の6カ国では,従業員自身のオンライン行動に関する権限を持っているのは,「IT部門ではなく,直属のマネージャ」と考えるリモート・ワーカーが過半数を超えた。一方,インド,イタリア,日本,ドイツでは,監督の権限を持つのは「直属のマネージャでなく,IT部門」とする回答が過半数を占めた。

 調査は,米国,英国,フランス,ドイツ,イタリア,日本,中国,インド,オーストラリア,ブラジルの10カ国において,リモート・ワーカー1000人と,IT部門の意志決定者1000人に対して行った。調査対象となったリモート・ワーカーはITプロフェッショナルでない。このため,販売,マーケティング,経理,人事,顧客サポートといった部門のマネージャが,IT部門と同等あるいはそれを上回る権限を持つと考える従業員が多いことになる。

 また,「誰にも干渉されたくない」という意見も全体の13%を占めた。フランス(38%)とイタリア(35%)がとりわけ多かったものの,日本(22%),米国(14%),オーストラリア(14%)も世界平均値を上回った。

 調査結果におけるリモート・ワーカーの考え方には,各国の社会的風潮や企業文化が顕著に表れた。「例えば,ドイツではIT部門が監督すべきという回答は71%に達するが,マネージャもその役割を担っているいう回答が3分の1,同僚も何らかの役割を果たしているという回答が4分の1を占めた。ドイツでは,全社をあげて情報セキュリティに取り組むべきという風潮が強いようだ」(同社Security Solutions Marketing部門担当副社長のJeff Platon氏)。

 なお,リモート・ワーカーによるセキュリティ・リスクの高い行為には,隣人の無線ネットワークへのアクセス,不審な電子メールの開封,個人のデバイスを使った企業ファイルへのアクセス,業務用コンピュータの他人との共有などがある。

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