米MicrosoftとイスラエルのZend Technologiesは,Windows ServerにおけるWeb用のスクリプト言語PHPの対応強化に向けて技術提携を結んだ。両社が米国時間10月31日に明らかにしたもの。「Windows Server 2003」のPHP動作環境を強化するほか,次期サーバーOS「Windows Server “Longhorn”」(開発コード名)を対象とする技術協力も視野に入れる。

 両社はWindows ServerとPHP環境の機能拡充と連携強化を図り,処理性能と信頼性の向上を目指す。Windows Server向けに改良した成果物は,PHPライセンスを適用してPHPコミュニティに提供する。

 具体的な取り組みとして,MicrosoftはWebサーバー「Internet Information Services(IIS)」とPHPを連携するIIS用アドオン・コンポーネント「FastCGI」を開発する。FastCGIは,Windows XP,Windows Server 2003,Windows Vista,Windows Server “"Longhorn”のユーザーに無償提供する予定。

 Zendは,Microsoftと共同で開発した技術を,2007年第1四半期よりPHP Webアプリケーション開発ツール「Zend Core」製品系列に組み込んで提供していく。ZendのWebサイトでは,改良版Windows向けZend Coreの技術プレビュー版の提供を開始した。

 Webアプリケーションの実行基盤としては,オープンソース・ソフトウエアを組み合わせたLAMP(Linux/Apache/MySQL/Perl/PHP/Python)スタックが普及している。これに対し米メディア(CNET News.com)が,「MicrosoftとZendは,LAMPのLinuxとApacheをWindowsとIISへ置き換えたWIMPスタックもそこそこ魅力的になると考えている」と報じた。

 またZendは同日,「PHP 5」スタックやハードウエアを組み合わせたアプライアンス製品「ZendBox」と,米IBMデータベースをPHP環境に連携させるソフトウエアの新版「Zend Core for IBM V1.5」を発表した。

 ZendBoxは,サーバーおよびOSと,Zend Core,PHPアプリケーションの開発フレームワーク「Zend Framework」や統合プラットフォーム「Zend Platform」,各種ユーティリティをパッケージ化して提供する製品。導入に必要な時間や経費を節約できるという。Zendでは,11月中旬より提供する予定。

 Zend Core for IBMの新版は,データベースとの連携を強化し,「低価格なハードウエアでも大量のトラフィックを処理可能とした」(Zend)。ZendのWebサイトから無償でダウンロードできる。

[発表資料(Microsoftとの技術提携)]
[発表資料(ZendBox)]
[発表資料(Zend Core for IBM V1.5)]