英Canonicalは現地時間10月26日,Linux OSの新版「Ubuntu 6.10」を発表した。デスクトップ版とサーバー版を提供する。Webサイトから無償でダウンロードできる。セキュリティ・アップデートなどのメンテナンス・サービスは,18カ月間受けられる。

 新版について,Canonicalは「デスクトップ用アプリケーションを拡充し,セキュリティを強化した」と説明する。さらに,起動時間も大幅に短縮したという。

 デスクトップ版はデスクトップ環境「GNOME 2.16」を採用し,電源管理機能などを強化した。オープン・ソースWebブラウザ「Firefox」の最新版や,メモ取りツール「Tomboy」,Flickrといった写真共有サービスと連携可能な写真管理ツールなどのアプリケーションを搭載している。

 サーバー版は,シン・クライアント技術Linux Terminal Server Project(LTSP)-5のプレリリース版に対応した。シン・クライアントのローカル・ポートに接続したUSB機器などの利用が可能になったほか,シン・クライアントからローカル・プリンタへの印刷も行えるようにした。

 さらに,ネットワーク・カードが複数あるサーバーでも,DHCPサーバーによる自動ネットワーク設定が行える。Etherbootのネットワーク・ブートにも対応した。

 またCanonicalは,Ubuntuベースの別ディストリビューション「Kubuntu 6.10」と「Edubuntu 6.10」の提供も開始した。

 Kubuntu 6.10は,デスクトップ環境としてGNOMEの代わりに「KDE 3.5.5」を採用している。Edubuntu 6.10は教育機関向けのディストリビューションであり,LTSP対応や学生/生徒用コントロール・パネルが特徴という。

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