米Red Hatの事業部門であるJBossは米国時間10月16日,Javaベースのオープン・ソース・オブジェクト/リレーショナル・マッピング(ORM)ソフトウエアの新版「Hibernate 3.2」を提供開始した。Red Hatが同日明らかにした。

 Lesser General Public License(LGPL)に基づき,Webサイトで無償ダウンロード提供する。またRed Hatのサーバー・ソフトウエアを一括提供するアプリケーション・スタック「Red Hat Application Stack」に同こんする。

 新版は,ORMの標準仕様であるJava Persistenceに対応した。Java PersistenceはEnterprise JavaBeans(EJB)3.0のサブセット仕様であり,Java Enterprise Edition(EE)5.0においてデータ永続性を利用するJava EEアプリケーション開発の省力化が可能になるという。「これによりHibernateは,Java Persistenceプロバイダとして任意のJava EE 5.0アプリケーション・サーバーと接続できる」(Red Hat)。

 さらに新版では,任意のJava環境で透過的/カスタム化可能な永続性コンテキスト管理が行えるようになった。動的データ表示の透過定義に利用する宣言型データ・フィルタを備え,クエリー・オプションとクエリー言語の強化を図ったという。

 Hibernateは「Hibernate Core」「Hibernate Annotations」「Hibernate EntityManager」という3種類のパッケージを用意する。各パッケージの概要は以下の通り。

・Hibernate Core:データ管理機能,クエリAPI,XMLデータによるORMなどすべての機能を備える。

・Hibernate Annotations:JDK 5.0コード・アノテーションのパッケージを提供し,XMLメタ・データを置き換えるまたは補足する形でデータを整理できる。

・Hibernate EntityManager:EJB 3.0で定義されたJava Persistenceプログラミング・インターフェース,オブジェクト・ライフサイクル・ルール,クエリ・オプションを実装する。Hibernate Annotationsと組み合わせると,Java Persistenceに必要な機能をすべて提供できる。

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