米Googleは米国時間10月9日,ビデオ共有サービス最大手の「YouTube」を買収すると発表した。時代の寵児による時代の寵児の買収はブログやSNS,そして他ならぬYouTubeで大きな話題を呼んでいる。
まず,YouTubeには創業者のチャド・ハーリーCEO(最高経営責任者)とスティーブ・チェンCTO(最高技術責任者)自らがGoogleによる買収を語るビデオが,チェンCTOの手によって投稿されている。
このビデオは10月9日に投稿されたばかりだが,早くも1200を超える数のコメントが付いている。コメントには創業者の成功を祝福する声やGoogleによるYouTubeの改良を期待する声も多いが,「YouTubeのコミュニティに『王様』は欲しくないし,必要ない」,「Googleの検閲と著作権の強制がYouTubeを破滅に追い込むだろう」といった否定的な意見も少なくない。
一方,米国の有名ブログ「TechCrunch」にGoogleによるYouTube買収の話題が噂として掲載された10月6日から正式発表の9日までの間に,YouTubeにはこの買収に対して自分の意見を述べるさまざまなビデオが投稿された。例えば,買収を議論しようと呼びかけるビデオや,その呼びかけに応えるビデオ,「私はショック。Googleはインターネット全体を買収しようとしている」と,Googleによるインターネットの独占を警戒するビデオなどだ。
残念ながら今の時点では,Googleが今回の買収を説明するビデオはYouTubeに投稿されていないようだ。もっともGoogleの意見は9日に開催された電話会議で聞ける。この会議にはYouTubeのハーリーCEOとチェンCTO,Googleのエリック・シュミット会長兼CEO,サーゲイ・ブリン共同創設者,デビッド・ドラモンド企業開発上級副社長が出席した。
この電話会議でGoogleのシュミットCEOは,ハーリーCEOとチェンCTOを「(Googleの創設者の)ラリーとサーゲイを思い出させる。彼らは驚くべき人たちで,極めて短い時間で驚くべき革新的なビジネスの成功を収め,私たちが一緒に働きたい完璧な人々」と絶賛。「この買収はインターネットの進化への次のステップ,自然なステップだ」と語った。また,ブリン共同創設者は「ビデオは世界の情報の中でも非常に重要な部分。広告にとっても優れたメディアだ」と話した。