米Microsoftは10月2日(米国時間),欧州連合(EU)が7月に科した3億5600万ドルの制裁金を不服として控訴した。この制裁金は,2004年の独占禁止法(独禁法)違反判決にともなう是正要求の履行が不十分として,EUがMicrosoftに科したものだ。同社は以前から控訴するとしていた。

 Microsoftの広報担当者は「控訴期限は10月2日だった。7月に述べた通り,あのとき強いられた制裁金に対して控訴する」と述べた。ルクセンブルクにある欧州第一審裁判所によると,「Microsoftは控訴期限である月曜日(10月2日)に間に合わせるため,訴状をファクシミリで送ってきた」という。現在,裁判所は原本の到着を待っている。

 この控訴は,Microsoftが欧州を舞台に進めている法廷ドラマの第2作であり,どのような結末になるのかまだ分からない。Microsoftは,ドラマの発端である2004年の独禁法違反判決についても控訴している。この判決でMicrosoftは,罰金6億ドルの支払い,欧州での「Windows Media Player」非搭載版Windowsの販売,競合企業へのサーバーの相互接続に関する技術文書提供を求められた。これらの要求のうち技術文書の提供が不十分であったため,Microsoftは今回の控訴の核心となる制裁金を科された。