米Microsoftが10月6日(米国時間)に,Windows Vistaの最後の評価版をリリースすることが明らかになった。この評価版には「Windows Vista Release Candidate 2(RC2)」という予期せざる名称が付けられる(Microsoftはこれまで,Windows Vista RC2をリリースしないと述べていた)。Windows Vista RC2はRC1と異なり,何百万人というユーザーに公開されることはない。

 Windows Vista RC2のビルド番号は「5743」になる。Microsoftは現在このビルドを内部で検証している。Microsoftが前回リリースした中間ビルドである「ビルド5728」と同様に,Windows Vista RC2は登録ベータ・テスターや,有料情報サービスの「Microsoft Developer Network(MSDN)」や「TechNet Plus」の利用者,「Consumer Preview Program(CPP)」の限られたメンバーに配布される。

 MicrosoftはWindows Vista RC2の詳細を明らかにしていないが,Windows Vistaの新しい中間ビルドのリリースを計画していることは認めている。Microsoftの広報担当者は筆者に「社内で検討した結果,当社はWindows Vistaの製品版を出荷するまでの間に,より多くの中間ビルドを配布することにした」と語っている。Windows Vista RC2の正確なビルド番号や出荷日は正式発表されていない。

 Windows Vista RC2は,MicrosoftがWindows Vistaの完成(RTM,Release to Manufacturing)までの間に公開する最後のビルドになる。Windows Vistaは「10月25日までに完成させる」ことになっていたが,このスケジュールは若干修正されるだろう。現時点では,Windows Vistaの「完成への秒読み(Launch Window)」は10月18日に始まり,その時点で製品版ビルドのテストが開始される予定になっている。しかし,Windows Vista開発の最終作業が11月8日までに終了するとは,Microsoftも期待していない。

 筆者が入手したMicrosoftの内部文書は,「Windows Vistaの完成が10月25日から1日でも遅れる度に,高い代償が支払われることになる」と指摘している。Windows Vistaの完成が遅れる度に,Windows Vistaのローカライズや特定言語向けWindows Vistaの完成が2007年1月に間に合わなくなる。その一方でMicrosoftは,Windows Vistaの品質を高める覚悟もしている。

 内部文書はまた,Windows Vistaには現時点で1400個のバグが存在していると指摘している。Microsoftは社内向けに,Windows Vistaの製品版審査が始まるまでに,バグの数を500個以下に減らすよう求めている。とはいっても,9月22日の段階でWindows Vistaには2470個のバグがあったという。

 またMicrosoftは,Windows Vistaが製品版審査段階に入ったら,Windows Vistaのプロダクト・キーを変更する予定である。つまりユーザーは,Windows Vistaの製品版をインストールするのに,評価版のプロダクト・キーを使えなくなる。筆者の理解では,このプロダクト・キーの変更は,Windows Vista RC2のリリースに影響を与えない。

【更新情報】
 Microsoftはその後,Windows Vista RC2のビルドを更新した。現時点でRC2のビルド番号は「5744.16384.061003-1945」になっている。依然として同社は10月6日(金曜日,米国時間)のWindows Vista RC2のリリースを目指している。