米Broadcomは米国時間10月2日,同社と米QUALCOMMとの特許訴訟において,米サンディエゴの連邦地裁判事がQUALCOMMによる仮差し止めの請求を棄却したと発表した。また,同社は,QUALCOMMとの別の訴訟において,新たに2件の申し立てを行ったことも明らかにした。

 QUALCOMMは3月に,Broadcomが同社の機密事項を不正に流用して,競合製品となる第3世代(3G)携帯電話向けチップの開発と販売を行ったと主張し,これらの差し止めを要求していた。Broadcomによれば,サンディエゴの連邦地裁判事はQUALCOMMに同社のチップの開発および販売の差し止めを申し立てる権利がないと判断したという。

 QUALCOMMは10月3日,Broadcomがプレス・リリースで誤った報告をしていると同社のプレス・リリースで反論した。QUALCOMMによれば,仮差し止めに関する審問においてBroadcomは差し止め命令が出されることに合意したという。同社によれば,裁判所は10月27日まで審問を続け,差し止め命令の範囲を決定するとしている。

 サンディエゴ連邦地裁における別の訴訟において,Broadcomは,QUALCOMMの反競争的な慣行の停止を目的とした略式判決を求める申し立てを行ったと同日発表した。Broadcomは,この訴訟でQUALCOMMが同一の製品と特許技術に対して複数の特許使用料を要求していると主張している。

 また,QUALCOMMが米国の独占禁止法に違反していると訴えていた訴訟において,ニュージャージー州の連邦地方裁判所がBroadcomの主張をすべて棄却したのに対し,同社は9月29日,米第3巡回控訴裁判所に提訴したことを明らかにした。

発表資料へ