米IBMが米国時間10月3日,「Power Architecture」ベースの低消費電力版プロセッサ「PowerPC 750CL」「PowerPC 970GX」と新型プロセッサ・コア「460S」「464 H90」「464FP H90」を発表した。

 新型プロセッサはいずれも単一コア・プロセッサ。製造プロセス・ルールは90nmで,シリコン/絶縁膜構造(SOI)を採用した。直ちに利用可能とする。

 32ビット・プロセッサの750CLの動作周波数は400M~1GHz,レベル2(L2)キャッシュ・メモリー容量は256Kバイト。消費電力が既存モデルの半分で済むという。

 970GXは「PowerPC 970FX」の後継モデルであり,32ビットと64ビットの両演算モードで動作可能。L2キャッシュ・メモリーを従来の2倍に相当する1Mバイトとした。動作周波数は1.2G~2.5GHz。

 新型プロセッサ・コアはいずれも32ビット版。従来のモデルと同等の消費電力でより高い処理性能を出せるという。

 460Sは論理合成が可能で,LSI設計時にレベル1(L1)およびL2キャッシュ・メモリーの容量やローカル・バスの種類を選ぶことができる。世界各地の半導体メーカーで製造可能。

 464 H90と464FP H90はASICコア(ハード・コア)。IBMおよびシンガポールChartered Semiconductor Manufacturing,韓国Samsung Electronicsが製造する。464FP H90は464 H90に倍精度の浮動小数点演算モジュールを組み込んだモデル。464 H90の消費電力は530mW(1GHz動作時)。

 464 H90の基本設計キットは2006年末,464FP H90の基本設計キットは2007年第1四半期に利用可能とする予定。460Sは2007年第2四半期に提供を開始する。

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