オンライン映画レンタル・サービスを手がける米Netflixは,同社の映画レコメンデーション・システムを改良するために,賞金100万ドルのコンテスト「Netflix Prize」を実施する。同社が米国時間10月2日に明らかにした。同社は,コンピュータ研究者,企業,大学の研究室などに参加を呼びかけている。

 現在,同社のレコメンデーション・システムは,サービス利用者が5段階で評価した映画のレーティングをデータベース化し,映画のし好が似た人が高評価を与えた映画を“おすすめ映画”として表示している。独自のアルゴリズムとソフトウエアを用いることで,「利用者や映画評論家から高い評価を得ている」(同社)という。

 Netflix Prizeでは,100万人分の映画レーティングを提供し,同システムの精度を10%以上向上した人に賞金を出す。該当者がいない場合は,最も精度を向上できた人に5万ドルを提供し,優勝者が出るまで毎年コンテストを実施する。

 同社によると,ユーザーと好みが似た人の商品を特定できるシステムは,映画のほか,本,音楽,衣料品,エンターテインメントなどの分野で役立つという。「様々な分野に対応できるレコメンデーション・システムが,商業分野で重要な役割を果たすのは明らか。現在,我々が利用しているのはいわばプロトタイプであるため,フェラーリ級のシステムを開発するために,コンテストを実施することにした」(Netflix会長兼CEOのReed Hastings氏)

 ちなみに同コンテストは,英政府が船舶の正確な経度を測定する方法を見つけ出すために1714年に実施した「Longitude Prize」に着想を得たという。

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