米Microsoftが「Windows Vista」でセキュリティを改善することについて,恐れているセキュリティ企業は米Symantecだけでないようだ。フィンランドF-SecureやスペインPanda Software,英Sophosといったやや規模の小さなセキュリティ企業は,いずれもSymantecほど声高に主張してはいないが,みなMicrosoftによるセキュリティ向上を自社の事業に対する脅威と認識している。

 この話題はWindows Vistaと関係する文脈で多く語られてきたが,これら欧州系セキュリティ企業の不安はWindows Vista以外のMicrosoft製セキュリティ製品――特に「Windows Live OneCare」――に向けられているようだ。というのも,こうした企業の販売している製品が競合するのはWindows Vistaでなく,Windows Live OneCareなどだからだ。

 例えばPanda Softwareのある幹部は,特にMicrosoftのウイルス対策機能の改善に対して不満を漏らしたが,Windows Vistaにウイルス対策機能は搭載されない。ウイルス対策機能は,Windows Live OneCareの主要機能の1つである。

 一般メディアが独占禁止法という視点でセキュリティを取り上げるのは,それが話題として扱いやすいからだ。しかし筆者は,OSそのものの機能が問題になっているのか,OSに追加する製品が問題になっているのか,もっと区別して取り上げるべきだと考えている。