米Microsoftは9月第5週,デジタル著作権管理技術「Windows Media Digital Rights Management(DRM)」を破ったハッカーを米連邦裁判所に提訴した。Microsoftは2006年8月から,「Viodentia」というあだ名で通っているこのハッカーと戦っていた。

 Viodentiaの作った「FairUse4WM」というプログラムを使うと,オンライン購入したWindows Media形式のコンテンツにかけられているMicrosoftのDRM保護策を回避し,ユーザー間で自由に共有できるプロテクトのかかっていない形式のコンテンツを作れる。

 MicrosoftはFairUse4WMが初めて登場してから既に2回,DRMに修正パッチを適用したが,ViodentiaはMicrosoftの行動を邪魔してきた。そしてMicrosoftによると,ViodentiaがDRM機能のソース・コードを読んでいることは間違いないという。「当社の所有している知的財産が盗まれ,FairUse4WMの開発に使われた。(盗んだ)連中は,DRM回避ツールをゼロから作った他のハッカーたちよりも,先に進んでいたはずだ」(Microsoftの弁護士)。ところがViodentiaは「(Microsoftの主張は)事実と全く異なる」と述べた。

 いずれにしろ,裁判の行方を見守るしかないだろう。Viodentiaを訴えたのと同じ週,Microsoftは別の新しいパッチをリリースした。Viodentiaが再度DRMを破るかどうかが注目されている。