写真1●IDF会場内にあった「PC 25周年」の展示
 
「PCは今年,25周年」
「最初のPCは実はモバイルだった」

 基調講演でこう語ったのはデービッド・パルムッター米Intel上席副社長。今回のIntel Developer Forum(IDF)の目玉の一つは次期モバイル・プラットフォーム「Santa Rosa(開発コード名)」の詳細が明らかになったことだ。一方で25年前,つまり1981年は現在のWindowsパソコンの源流と言えるIBM-PCが発売された年。IDFの会場でもPC 25周年を記念した展示があった(写真1)。モバイルPCを中心にその歴史を見ていきたい。

 まず写真2はパルムッター氏の講演でも紹介された“元祖モバイルPC”の「オズボーン」。オズボーン・コンピュータの発売は1981年4月。1981年8月発売のIBM-PCよりも4カ月早かった。パルムッター氏は同機を最初のモバイルPCと紹介していたが,オズボーンのCPUは8ビットのZ80。IBM-PCの「PC」とは異なる。価格は1795ドル。5インチのディスプレーを備え,重さは24.5ポンド(約11.1kg),OSはCP/Mだ。

 写真3は米Compaq Computer(現米Hewlett-Packard)が1983年3月に発売したモバイルPC「Compaq Portable」。CPUにIntel 8088を採用するIBM-PC互換機。同機はいわゆる「PC」としての元祖モバイル機だ。9インチのディスプレイを内蔵し,重さは28ポンド(12.7kg)。

 写真4は東芝が1987年に発売した“本当の元祖モバイルPC”「Toshiba T1000」。重さは6.4ポンド(2.9kg)で現在のノートPCに近い。CPUは動作周波数が4.77MHzのIntel 80C88。モバイルPCの歴史は事実上,Toshiba T1000から始まると言えるだろう。

 IDF会場には歴史的なモバイルPCとは対照的な,最新モバイルPCの展示もあった。写真5はIntelが発展途上国の学校向けに開発した「Classmate PC」。ポール・オッテリーニCEOの基調講演でもナイジェリアの学校でClassmate PCが使われている様子をビデオで放映していた。写真6はインテルが開発した「Ultra Mobile PC」(UMPC)のプロトタイプだ。UMPCは2007年前半に最初の製品が発売される予定である。

  写真2●1981年発売の「オズボーン」
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写真3●1983年発売の「Compaq Portable」
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  写真4●1987年発売の「Toshiba 1000」
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写真5●発展途上国の学校用に開発された「Classmate PC」
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  写真6●Ultra Mobile PCのプロトタイプ
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