米Gartnerは米国時間9月28日,「2011年までに新しいビジネス・ソフトウエアの25%がSaaS(Software as a Service:サービスとしてのソフトウエア)モデルで提供されるようになる」とする予測を発表した。同社によれば,2005年のビジネス・ソフトウエア市場の売上高のうち,SaaSモデルのソフトウエアが占める割合はおよそ5%だったという。

 SaaSは,ソフトウエアをサービスとして配信する概念。インターネットを介してアプリケーションの機能をオンデマンドで提供する。同社によれば,SaaSは2000年~2003年にかけてアプリケーション提供モデルとして発展し,多くのプロバイダは主要な機能だけを提供してきた。現在では,機能強化が図られ,企業のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズや設定できるようになっているという。

 調査の結果,SaaSモデルの導入状況は,市場部門によって大きく異なることが明らかとなった。2005年のCRMソフトウエア市場において,SaaSモデルからの売上高は全体の8%だった(Gartnerは,2006年にこの割合が12%に達すると予測している)。しかし,ERPやサプライ・チェーン管理市場では4%未満だった。

 Gartnerは,SaaSが普及するにつれて購入と販売方法が変化すると考えている。同社によれば,過去数年におけるSaaSの購入には,主に販売や人事部門などのリーダーが関わっており,IT部門はあまり関与していなかったという。同社調査担当副社長のRobert DeSisto氏は,「SaaSについてよりよい判断を下し,効率的かつ効果的にサービスを管理するために,ビジネス・リーダーとIT部門は,SaaSの選択プロセスおよびSaaS契約の管理に参加すべきである」とコメントしている。

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