米Microsoftは,米Apple Computerの「iPod」や「iTunes」に対抗する「Zune」ブランドの携帯型プレーヤとオンライン・コンテンツ販売サービス「Zune Marketplace」を,米国で11月14日に提供開始する。Microsoftが米国時間9月28日に明らかにしたもの。プレーヤの予想小売価格は249.99ドルで,同じハード・ディスク容量を備えるiPodの価格(249ドル)と同水準となる。

 Zuneプレーヤは3インチの画面を備え,30Gバイトのハード・ディスク装置とFMラジオ・チューナを内蔵する。音楽や画像,ビデオを再生できるほか,ユーザーの選んだ画像やテーマでカスタム化が可能。色は白,黒,茶の3種類。販売するZuneプレーヤには,サンプルとして音楽やミュージック・ビデオ,ショート・フィルム,画像があらかじめ入れてある。

 無線通信機能を備え,Zuneプレーヤ同士を接続して相手の音楽や画像,ビデオを再生/表示できる。試聴機能を備えており,相手のライブラリに入っている任意の楽曲を3日間,最大3回,その曲を最後まで聞くことができる。試聴して気に入れば,その楽曲にマークを付けることで Zune Marketplaceから購入できる。無線通信機能は,Zuneプレーヤのファームウエア・アップデートにも利用する。

 Zune Marketplaceは,音楽やビデオを一般的なファイル形式で販売する「iTunes Store」(旧名称は「iTunes Music Store」)対抗サービス。1本単位で購入可能なほか,月額14.99ドルで好きなだけコンテンツをダウンロードできる「Zune Pass」会員制度も用意する。

 プリペイド・ポイント「Microsoft Points」でもコンテンツ購入が可能。音楽コンテンツの場合,1曲当たり79ポイントとなる。米メディア(InfoWorld)によると,Microsoft Pointsの購入価格は1200ポイントが15ドル,2000ポイントが25ドル,4000ポイントが50ドル。1曲あたりの価格は約99セントになり,iTunes Storeとほぼ同額になるという。

 Microsoftは,AV出力ケーブル「Zune AV Output Cable」(19.99ドル),車載用充電器「Zune Car Charger」(24.99ドル),リモコン・アダプタ「Zune Wireless Remote for Zune Dock」(29.99ドル)といったアクセサリを単体販売するほか,車載キット「Zune Car Pack」(79.99ドル),AV接続キット「Zune Home A/V Pack」(99.99ドル),旅行用キット「Zune Travel Pack」(99.99ドル)という3種類のアクセサリ・セットも用意する。

 米メディア(CNET News.com)によると,パソコンにインストールされるZune用ソフトウエアは,iTunesやWindows Media Playerの管理下にある音楽/画像/ビデオを,販売元の許可が得られている場合に限り,プレイリストや評価データとともに取り込めるという。

 「(取り込むコンテンツの)ファイル形式は,音楽ファイルがプロテクトのかかっていないWMA/MP3/AAC,画像がJPEG,ビデオがWMV/MPEG-4/H.264。iTunes Storeで購入したコンテンツはデジタル著作権管理(DRM)機能によって移動が制限されているので,iTunesからZuneに移せるコンテンツはユーザー自身が音楽CDから取り込んだものだけになる」(同メディア)

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