米インテルが2006年9月26日から米国サンフランシスコで開催している、開発者向け会議「IDF(Intel Developer Forum)」。会場に設けられた展示コーナーでは、発表があったばかりの最新CPU「Core 2 Extreme」を搭載したパソコンや基調講演などで使われた開発中の試作品などが並んでいた。今回はその模様をフォトレポートで紹介する。
IDFの会場。基調講演を行うホールのほか、展示コーナーが設置されている |
専用のブースを構えて展示されているのは発表されたばかりの「Core 2 Extreme」を搭載したパソコン。ワークステーションやサーバーだけでなく、ゲーム用のパソコンとして位置づけているメーカーもある。
米デルや米ヒューレット・パッカード、米ゲートウェイなどがCore 2 Extreme搭載機を展示している。さらにデルはノートパソコンでの搭載機も展示していた。
米デルのCore 2 Extreme搭載ノート(左) | 米ヒューレット・パッカードのCore 2 Extreme搭載サーバー |
Core 2 Extremeを搭載したパソコンを使って実際にゲームをプレイできるコーナーも設けられている。レーシングゲームには、CPUパワーを体感しようと人だかりができていた。
Core 2 Extremeを搭載したパソコンによるゲームコーナー。レーシングゲームのブースは特に人気が高い | ゲームで新CPUの実力を体感しようとする人でにぎわっていた |
RobsonやSanta Rosaなどの新技術にも注目
新CPU搭載機に次いで注目されるのが、来年以降のノートパソコンに搭載される、NAND型のフラッシュメモリーを使った「Robson」。ノートパソコンの高速化と低消費電力を両立させる。メモリーの容量は1GB。写真は実物で、インタフェースはminiPCIとなる。説明員は「将来的にはminiPCI Expressにも対応したい」と話していた。
実際に稼働しており、スタンバイモードからの復帰時間を測定すると、Robson搭載機は通常のパソコンに比べて復帰時間が17.9秒、非搭載機では26.6秒となりかなり差がついた。説明員によれば、実験に使ったOSはWindows Vista RC1とのこと。
「Robson」の基板。1GBのメモリーを搭載する | Robsonによりスタンバイモードからの復帰が高速になる |
初日の基調講演で使われた車載パソコンも展示中。これは米インテルと独フォルクスワーゲンが共同で開発しているもの。展示中には、実際にUMPC(Ultra-Mobile PC)と連携させてデータなどを転送していた。
車載パソコンが展示されていたUMPCコーナー | 開発中の車載PCも自動車と一緒に展示されている |
ヒューレット・パッカードはUWBを使った印刷の実演を行っている。近く製品化する予定という。UWB搭載の利点は、IEEE802.11b/gなどに比べ、セキュリティなど面倒な設定を気にせずに使える点だという。
米ヒューレット・パッカードは開発中のUMBを使いプリンターで印刷するシステムも展示 |
2007年にも登場する新しいノートパソコンのプラットフォーム「Santa Rosa」(開発コード名)のコンセプト機も展示されていた。Robsonのほか、IEEE802.11nの通信モジュールなども備え、ノートパソコンがまたさらに進化することを予感させる。
2007年に登場する「Santa Rosa」のコンセプト機 | Santa Rosaの主な仕様。Robsonのほか、IEEE802.11nなどの通信機能も備える |
米EPOS PCのブースでは、最近はあまり見かけなくなったデジタルペンを使って手書きの文字を入力するシステムが展示されていた。普通の紙に書きながら、デジタルデータを入力できるのが特徴。ペンはマウスとしても利用できる。
米EPOS PCではデジタルペンを使ったシステムを実演していた。Vistaにも対応するという |
会場内には米マイクロソフトもブースを構えてWindows Vistaをアピール。係員が動画や音楽などを使い、具体的な操作方法を説明していたほか、その場でWindows VistaのRC1を配布していた。
米マイクロソフトのブースでは、Windows Vistaを実演中。リリース候補版の「RC1」が配布されていた |
なぜかデジタル玩具の組み立てコンテストも行われていた。参加しているのは一般の参加者ではなく、各ブースの説明員たちのように見える。
デジタル玩具の組み立てコンテストも。参加者は各ブースの説明員だが、持ち場の仕事はよいのだろうか… |