米AOLの会員3人が,AOLが検索クエリーのデータをオンライン上で閲覧できる状態にしたためにプライバシが侵害されたとして,米カリフォルニア州連邦地方裁判所において集団訴訟を起こした。原告人の代表が米国時間9月25日に明らかにした。

 訴状では,AOLが会員本人の同意なくデータを公開したことにより,電子通信プライバシ法,カリフォルニア州のオンライン・プライバシ法や消費者救済法など複数の法律に違反したと主張。同訴訟では,2004年1月から現在に至るまで,同意なく検索クエリーのデータが公開されてしまった米国内のすべてのAOL会員を原告として定義している。

 AOLは,7月31日に3カ月間にわたりおよそ65万8000人の会員が行った約2000万件の検索クエリー・データを,誤ってWebサイトにアップロードしたことを明らかにしていた。原告側は,データ漏えいが発覚後にAOLは謝罪したが,状況を修復するために何もしていないと主張している。

 原告によれば,公開されたデータには,会員が検索を行った日付と時間,検索結果の表示後にクリックしたWebサイトが記録されているという。検索を行った会員名は記録されていないが,会員を特定できる個人的な情報が含まれていると主張している。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,原告は賠償金として,カリフォルニア州の会員1人あたり4000ドル,そのほかの州の会員について1000ドルを要求している。また,AOLに対して検索クエリーの記録を中止し,すでに記録したものに関してはデータを破棄するように求めている。

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