米Cisco Systemsは米国時間9月26日,企業向けデジタル・メディア・システム「Digital Media System」を発表した。同システムは,デジタル・コンテンツの作成,管理,配信機能を備える。企業は,ライブまたはオンデマンドのデジタル・メディアをさまざまな形式で,有線・無線を問わずに複数のデバイスに配信できるようになるという。

 Webベースの同システムは,通信とコラボレーション機能を向上させることにより生産性と事業運営の強化を支援するとしている。3種類の製品ライン「Digital Media Encoders」「Digital Media Manager」「Cisco Video Portal」で構成する。

 Digital Media Encodersは,スタジオ・レベルのアプライアンスで複数チャネルをサポートする「Digital Media Encoder 2000」と無線向けシングル・チャネル対応の「同1000」を用意する。両エンコーダは,ライブまたはオンデマンドのエンコーディングに対応する。

 Digital Media Managerは,デジタル・メディアの管理とパブリッシュ機能とともに,メディアの追加および保存,メタデータとキーワードの割り当てツールなどを提供。また,ユーザーは,Video Portalを通じてデジタル・メディア・コンテンツの閲覧,検索,視聴が可能となる。プログラム・ガイドと検索機能はカスタマイズ可能。フルスクリーンの再生に対応し,利用に関するレポート・システムも備える。Windows Media,RealPlayer,Flashに対応。年内にQuickTimeとMPEG4への対応も予定している。

 同社は用途として,CEOの基調講演のオンデマンド配信,金融サービスにおける顧客サービス・スタッフのトレーニング,小売業におけるインターネットを介した顧客との対話,ライブのプロモーション・イベントの配信などを挙げている。

 同システムは,Ciscoが推進するアーキテクチャ「SONA(Service-Oriented Network Architecture)」を採用している。SONAは,既存のインフラを,サービス指向アーキテクチャ(SOA),Webサービス,仮想化などを含む新しいIP戦略をサポートするインテリジェントな情報ネットワーク「IIN(Intelligent Information Network)」にすることを目指している。

 Digital Media Systemは,販売が開始されている。価格は13万ドルから。製品の詳細は,同社Webサイトに記載されている。

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