米IBMは米国時間9月26日,特許の申請や管理などに関する新しい企業ポリシーを発表した。同社によれば,世界規模で導入するポリシーは,革新技術を開発する健全な環境や知的所有権の相互尊重の促進を目的としている。

 新しいポリシーに盛り込まれている主な内容は次の通り。

・特許出願人は,特許申請書の品質と明確性に対して責任がある。申請書は,明確な仕様,クレームで構成する。申請前に,特許性に関して調査し,関連する先行技術のドキュメントも特許事務所に提出すべきである。

・特許申請書は,一般が調査できるように公開すべきである。特許申請書は,通常,申請後に自動的に18カ月間公開される。特許事務所が特許性を検証する過程において,先行技術や関連情報を知ることができるように,出願人は一般からコメントを受け入れる機会も設けるべきである。

・特許所有権は,明白で容易に認識できるようにするべきである。所有者は,架空会社の名前ではなく,自分の名前を申請書に記録すべきである。

・技術的なメリットがない,純粋なビジネス方法は特許対象から除外すべきである。別の会社が似たようなビジネス方法で特許を取得するのを防ぎたい場合には,特許を申請するのではなく,そのビジネス方法を公開すればよい。

 新しいポリシーをサポートするために,同社の技術専門家は年間数千時間をかけて,特許事務所に提出された特許申請書の見直しを行う。同社は,米特許商標局(USPTO)コミュニティの特許レビュー・パイロットの一環として,USPTOが提出された申請書の特許性をより速く正確に判断するのを支援するために,関連する先行技術の情報を提供する。

 また,IBMは,同社の特許申請書を公開してコミュニティが調査できるようにする。そのほかにも,同社が所有するビジネス方法に関する特許のおよそ半数に相当する100件以上の特許を公開し,利用可能とする。同社は今後,ビジネス方法に関する申請を技術的な内容を多く盛り込むものに限定するため,ビジネス方法の特許申請は減少するとしている。

 IBMは,特許コミュニティに属するほかの企業に対しても,現在法で定められているよりも厳格なポリシーを導入するように勧めている。

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