米大統領の命令によって設置されたIdentity Theft Task Forceは米国時間9月19日,個人情報の盗難に対応するための中間勧告を発表した。行政機関による個人情報の扱いの見直しや,窃盗によるリスクの緩和とともに,被害者が悪質な犯罪の影響から立ち直るための支援などを盛り込んでいる。

 同タスク・フォースは,個人情報の盗難に連邦レベルで対処するために5月に設置され,現在17の連邦機関がかかわっている。11月に最終的な戦略的計画を大統領に提出する予定である。

 今回発表した勧告では,行政管理予算局に対し,個人情報の漏えいがあった場合,影響を受ける個人への通知方法などを記したタスク・フォースのメモランダムをすべての連邦機関に提供することを勧めている。

 被害者の支援としては,個人情報の悪用に関する警察の報告書に被害者が容易にアクセスできるようにするシステムの開発を勧めている。また,被害者が犯罪処理に費やした時間に対して被告人に賠償金を支払わせるように,法律の改正を連邦議会に提案している。

 社会保障番号に関しては,公共部門における不必要な使用を制限するために,人事局による見直しを勧めている。また,人事局が連邦の人材管理組織に対し,社会保障番号の扱いに関するポリシー・ガイダンスを発行すべきだとしている。そのほかにも,盗んだ個人情報を使った新規口座開設などを防ぐために,学術や業界の専門家の協力を通じて,生体認証などの信頼できる認証方法の開発を促進するように勧めている。

 同タスク・フォースによれば,2005年には,個人情報の窃盗で226人が起訴されている。2006年は7月末までの時点で432人が起訴されているという。

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