米連邦取引委員会(FTC)は,4件のCAN-SPAM法(スパム対策法)違反訴訟でスパム業者が和解に合意したことを米国時間9月14日に発表した。各スパム業者は,スパム行為の停止と賠償金の支払いを命じられ,そのうち出会い系スパム・メールを送信していた米Cleverlink Tradingは同法のほぼすべての要件に違反していたという。

 CAN-SPAM法では,大量送信する広告メールの場合は,正確なヘッダと件名を付け,広告であることを明記し,発信者の住所を記載するよう義務づけている。また,受信者が今後受け取りを拒否するための手続きを提供しなければならない。さらにAdult Labeling Rule(成人対象規定)により,成人向けの広告であれば件名に「SEXUALLY EXPLICIT:」を入れ,最初にメッセージ・ウインドウを開いたときに性的な画像などが表示されないようにする必要がある。

 Cleverlink Tradingとそのパートナは,違法な手段で稼いだ40万ドルを賠償金として支払う。同社およびアフィリエイトが送信したスパム・メールはまぎらわしいヘッダと虚偽の件名が付記され,受信拒否手続きへのリンクや有効な住所を記載せず,性的内容であることを明示しなかった。その上,メッセージを開くとすぐに性的画像が表れるようになっていた。

 他の2件では,第三者のコンピュータを乗っ取り,性的な画像を含むスパム・メールの送信に悪用した。裁判所はそれぞれ15万1000ドルと8000ドルの賠償金支払いを命じた。

 残りの1件は,スパムを使って意図的にトラフィックを増加させることでWebサイト運営者から代価を徴収している業者で,2万4193ドルの罰金命令が下った。この業者は,スパム行為とクレジットカードの不正取得に関して刑事訴訟でも有罪判決を受けている。

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