コンピューティングとセキュリティに関する業界団体のTrusted Computing Group(TCG)は米国時間9月13日,携帯電話向けの新しいセキュリティ仕様「Mobile Trusted Module(MTM)」のドラフトを発表した。同仕様は,TCGの作業部会であるMobile Phone Work Groupが策定を進めている。

 MTM仕様は,携帯電話におけるセキュリティとプライバシ保護を強化し,紛失や盗難によるリスクの軽減を目的とする。具体的には,同仕様をハードウエアに採用することにより,ユーザーのデータ,個人情報や端末の認証情報,ダウンロードしたコンテンツなどの保護,モバイル決済とモバイル・チケットへの対応などが可能になるという。

 米iGRのIain Gillot社長は,「携帯電話機に重要な情報を保存したり,携帯電話による取引が増えるにしたがって,ウイルス,スパイウエア,スパムといった攻撃や,個人情報または携帯電話機本体の盗難が増加すると考えられる」とコメントしている。

 「携帯電話業界が協力して標準規格を確立することにより,携帯電話機に迅速かつ効率的にセキュリティ機能を組み込める。プラットフォーム・レベルでセキュリティを強化することにより,業界は引き続きユーザーが望むサービス,機能,コンテンツの提供が可能になる」(同氏)。

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