無線通信業界団体の米3G Americasと英国の通信調査会社であるInforma Telecoms&Mediaは,世界における携帯電話の利用状況について調査した結果を,米国時間8月31日に発表した。2006年第2四半期は,世界の携帯電話ユーザー24億1000万人のうち,GSM/UMTS(W-CDMAおよびUMTS TDD)ユーザーが20億人を占めた。また,2009年にはGSM/UMTSユーザーが30億人に達し,そのうちUMTSの利用者は5億5100万人になる見通しだという。

 2005年第2四半期から2006年第2四半期にかけて,全世界のGSM系(GSM,GPRS,EDGE,UMTS/HSDPAを含む)携帯電話ユーザーは約5億人増加し,そのうちUMTSユーザーは4100万人だった。一方,CDMA携帯電話のユーザーはわずか4500万人しか増加しなかった。

 GSM系ユーザーの増加を後押ししているのは,米大陸である。2005年6月から2006年6月にかけて,米大陸におけるGSM系携帯電話ユーザーは約1億人増加し,市場で占める割合は38%から51%へと拡大した。

 中南米とカリブ海地域では,GSMが無線市場の63%を占め,CDMAはわずか22%である。このため,CDMAからGSMへと移行する通信事業者が増えており,GSMの市場シェアはブラジルが57%以上,アルゼンチンが77%,コロンビアが80%,メキシコが71%となった。

 3G Americas社長のChris Pearson氏は,「2006年はHSDPAが飛躍的に伸びる年になるだろう。わずか1年前まで,商用ネットワークがなかったにも関わらず,現在はGSMを使って無線ブロードバンドを利用するユーザーが7000万人以上に達している。今後,UMTSを採用する事業者のほとんどがHSDPAを導入するはずだ」と予測する。

 米大陸では,20カ国の44事業者がEDGEサービスを展開しており,今後成長が見込まれる。現在,売上高の大半は音声によるものだが,データ通信による売上高がARPU(ユーザー1人当たりの平均売り上げ)の10%以上を占め,その割合は今後3年以内に倍増する見通しである。

 全世界でGSMベースのデータ通信方式であるEDGEでサービスを提供しているのは91カ国の157事業者。また,GSM/UMTSユーザーがローミングできるように,3G無線デバイスの多くが対応している。現時点では,238の通信事業者がEDGEを採用予定である。

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