映像圧縮技術「DivX」の開発元である米DivXとスイスのマーケティング会社MC&Cはドイツで現地時間9月3日に,VOD配信サービスに関する提携を発表した。MC&Cは同社が抱える映画コンテンツのデータベースを,DivX形式のVODサービスとして欧州で利用可能にする。

 ユーザーは,新たに開設するWebサイト(www.clicmovies.net)から1700タイトル以上の映画コンテンツを有償でダウンロードできる。購入した映画コンテンツはCDやDVDに記録してDivX対応DVDプレーヤで再生可能。両社によると,1800種類以上のデバイスがDivX技術をサポートしているという。

 DivXはMPEG-4方式をベースにした映像圧縮技術で,DVDで採用されているMPEG-2方式と比較して3~4倍の圧縮効率を誇る。エンコーダ,デコーダとも無料で入手できるため,ネット上のファイル交換に向いているが,商用ビデオ販売などでの採用は少ない。さらに日本の大手家電メーカーでDivX対応プレーヤを扱っているのはごくわずかである。しかし,欧米,特に欧州では非常に一般的な映像圧縮技術になっている。

 MC&C共同設立者兼CEOのCedric N Piaget氏は,「欧州市場において,いつでも好きなときにエンターテインメント・コンテンツを楽しむための,より多くの選択肢を消費者に提供する最初のプロバイダの1つとなることをうれしく思う」と述べた。

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