米SpiralFrogは,レコード会社大手の米Universal Music Group(UMG)と楽曲の無料配信サービスに関する契約を締結した。同社が米国時間8月30日に明らかにした。SpiralFrogは,広告モデル型音楽配信サービスを通じてUMGが保有する楽曲を米国とカナダのユーザーに無料で提供する。

 SpriralFrogは,ニューヨークに拠点を置く従業員20名の企業。広告を収入源とする楽曲の無料提供サービスを手がけている。年内にベータ版サービスの開始を予定している。

 同サービスを通じて提供するオーディオとビデオ・コンテンツには,著作権侵害行為への対策としてデジタル著作権管理技術を組み込む。米メディアの報道(CNET News.com)によれば,音楽ファイルはWindows Media Audio形式で提供される。ダウンロードした楽曲は,パソコンまたは携帯デバイスに転送して再生できるが,米Apple ComputerのiPodには対応していない。ユーザーは,毎月SpiralFrogのWebサイトを訪問し,ダウンロードした楽曲の有効期限を更新する必要がある。これを怠った場合,有効期限が切れてダウンロードした楽曲が聴けなくなるという。

 6月には,英EMI GroupのEMI Musicが米LTDnetworkと同じような契約を締結している。EMIは,LTDnetworkが広告収入によって運営する合法的ピア・ツー・ピア(PtoP)型音楽配信サービス「Qtrax」に音楽カタログを提供する。同サービスは,年内にテスト段階に入り,米国ユーザーを対象にパイロット・サービスを開始する予定となっている。

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