米BEA Systemsは米国時間8月28日,リアルタイム処理に対応するJavaアプリケーション・プラットフォームの新版「WebLogic Real Time(WLRT)Core Edition 1.1」の提供開始を発表した。新版は,従来版に比べておよそ3倍の高速化を図っており,処理速度を重視する金融サービス,製造業,通信業界などをターゲットとしている。従来版のレスポンス時間は100ミリ秒だったが,新版では30ミリ秒以下に短縮しているという。

 新版は,決定論的ガベージ・コレクションの基礎を提供するJava仮想マシン(JVM)の「JRockit」,JVMとアプリケーションの動作状態を逐一記録して分析する「JRockit Runtime Analyzer(JRA)」,Java Servletの「WebLogic Express Basic Edition」を提供する。SPARCアーキテクチャもサポートするようになった。

 これまでリアルタイム・アプリケーションの作成やメンテナンスは,開発コストが高いCまたはC++などを使う必要があったが,WLRTによってJavaが利用できるようになるという。BEAは,リアルタイム・アプリケーションにJavaを導入することにより,サービス指向アーキテクチャ(SOA)への統合が容易になると説明している。

 WLRT Core Edition 1.1は,同社Webサイトからダウンロードできる。30日間無料で利用できる試用版も提供している。BEAは,9月から12月にかけて米国,チェコ,中国で開催する開発者カンファレンス「BEAWorld 2006」において,WLRTのリアルタイム機能のデモを行う予定。

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