米Dellに続き米Apple Computerがノート・パソコン向けバッテリのリコールを開始したが,安心は禁物だ。カナダのInfo-Tech Research Groupは英国時間8月24日,ノート・パソコンのトラブルについて警鐘を鳴らすレポートを発表した。

 「複数のリコールが実施されていること,米消費者製品安全委員会に発煙あるいは発火の報告がされていることを考えれば,単なる応急措置で済ませてはならない」(Info-Tech)。

 Info-Tech上級アナリストのCarmi Levy氏は,「AppleやDellなどが直接行動を起こしたのは良いことだが,企業は原因を究明し,確実に問題を解決する必要がある」と述べる。同氏は,ソニー製バッテリの不具合に加え,発熱量を抑えるコンピュータの設計についても詳細に調べるべきだと指摘する。

 今回のようなトラブルは,コンピュータ本体に損傷を与えるだけでなく,ユーザーがケガを負う可能性もある。また,航空機内などで使用した場合には惨事を招きかねない。

 Sydney Morning Herald紙によると,オーストラリアのQantas航空は対策として,機内におけるDell製ノート・パソコンの使用を制限している。手荷物チェックを受けて機内に持ち込むことは可能だが,バッテリを外した上で,機体から電源供給する一部のファースト・クラスまたはビジネス・クラスの座席でしか使用が認められないという(米メディア)。

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