米Strategy Analyticsは米国時間8月23日,西欧の無線データ・サービス市場に関する今後の展望を発表した。それによると,企業による無線データ・サービスの売上高は,2005年の79億ドルから,2010年には127億ドルへと急成長を遂げる見通しである。

 2010年まで,ショート・メッセージ・サービス(SMS),インスタント・メッセージング(IM),電子メールといったメッセージング関連の売上高が市場の90%を占める。残りの10%はERPやCRMといった基幹業務アプリケーションになる見込み。

 市場をけん引するのは,売上高の44%を占める英国とドイツ。「両国は,SMSの導入状況において大きな開きがあるものの,モバイル電子メールとCRMの両分野で市場の成長を後押しする」(同社Wireless Enterprise Strategies部門担当ディレクタのCliff Raskind氏)

 ちなみに米メディアによると,西欧におけるモバイル電子メールの売上高は,2005年の7億ドルから2010年には28億ドルへ急増する見通し。また,英国ではSMSの売上高が2010年には13億ドルに達するという。

 Strategy Analytics上級アナリストのAntoine Mathiaud氏によると,西欧では携帯電話のビジネス・ユーザーの90%がSMSを利用しており,北欧地域に限ればほぼ100%に達するという。また,2010年にはSMSの売上高が64億ドルを超える見通しだ。しかし,「SMSが売上高全体で占める割合は2005年の79%から,2010年には50%へと減少するだろう」(同氏)

 なおスウェーデンは,モバイルIMやプレゼンス機能に対応した付加価値サービスの試験市場として重要な役割を果たす見込みである。

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