ベンチマーク・テストを開発する非営利業界団体Standard Performance Evaluation(SPEC)が,コンピュータ・ハードウエア向け性能評価ソフトウエア・スイートの新版「SPEC CPU2006」を米国時間8月24日に発表した。
SPEC CPU2006は,プロセサを中心に,メモリーやアーキテクチャなど,ハードウエアの処理性能を総合的に評価する。デスクトップ・パソコンからワークステーション,大規模サーバーまで対応可能。旧版の「SPEC CPU2000」よりも対象分野を広げ,大規模アプリケーションや長期的な負荷のかかるシステムを想定した計測が行える。
SPEC CPU2006は,整数演算の性能を測る「CINT2006」と浮動小数点演算の性能を測る「CFP2006」という2種類に分かれる。CINT2006では12種類,CFP2006では17種類のベンチマーク・テストを提供する。計測結果は,処理速度を示す指標「SPECint2006」「SPECfp2006」と,一定時間に処理可能なタスク数(スループット)を示す指標「SPECint_rate2006」「SPECfp_rate2006」で表す。
基準とする参照ハードウエアは,UltraSPARC IIプロセサ(動作周波数296MHz)ベースのワークステーションSun Ultra Enterprise 2とした。計測結果はすべて同ハードウエアに対する割合で示し,数値が大きいほど高性能とする。SPECは,メンバー企業9社から提出されたSPEC CPU2006の結果をWebサイトで公開している。なおSPEC CPU2006による評価結果は,SPEC CPU2000と比較できない。
SPEC CPU2006は,DVDメディアの形態で販売する。価格は,新規購入時が800ドル,SPEC CPU2000からのアップグレード時が400ドル。一部教育機関には200ドルで提供する。
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