シンガポールCreative Technologyと米Apple Computerとの間で争われていた特許侵害訴訟が和解に至った。Appleが米国時間8月23日に明らかにしたもので,AppleはCreativeに1億ドルを支払う。

 Creativeは,Appleの「iPod」製品が同社の特許を侵害しているとして,今年5月に国際貿易委員会(ITC:International Trade Commission)に調査を請求し,カリフォルニア州北部地区の連邦地裁にAppleを提訴していた。問題の特許はCreativeが自社の音楽プレーヤ「Zen」に使用しているもので,大容量の携帯型メディア・プレーヤのユーザーが効率的かつ直感的にプレーヤを操作し,曲を選択するためのユーザー・インタフェースをカバーする(関連記事)。AppleはCreativeが訴訟を起こした直後に,Creativeを特許侵害で反訴した(米メディア)。

 今回の和解によりAppleは,Creativeが最近取得した特許をすべてのApple製品に使用できる権利を得る。なお,Creativeが他者に対する同特許のライセンス供給に成功した場合,Appleは1億ドルの一部を回収できる。

 一方Creativeは,Appleの「Made for iPod」プログラムに参加し,iPod向けアクセサリを年内に発表する予定である。

 AppleのCEO,Steve Jobs氏は「Creativeは早期に特許の承認を受けていてたいへん幸運だった」と述べた。「今回の和解は,現在係争中の5件の訴訟を含め,両社間の論争を解決し,裁判が長引いた場合の不安と混乱を取り除くことになる」(同氏)

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