米In-Statは米国時間8月8日,プロセッサ業界における競争的な環境の変化などについて調査した結果を発表した。それによると,コンピューティング市場における勢力が変化を続け,米AMDは,米Intelにとってこれまでで最も強力な競争相手となった。そのため,Intelには新しい切迫感が生まれ,新しい製品と戦略で対応しているという。In-Statは,AMDが現在の勢いを維持するためには革新的であり続ける必要があると指摘している。

 同社アナリストのJim McGregor氏は「Intelとの競争が激化する中で,AMDによるATIの買収と将来のパソコン用プロセッサにグラフィックスLSI(GPU)を統合する計画は,業界の流れを変える大きな出来事となりえる。パソコンにおける争いは,もはやプロセッサだけでなく,プラットフォームの競争となっている」とコメントしている。

 同社が実施した調査の主な結果は次の通り。

 ・AMDは2004年第1四半期以降,パソコンとサーバー市場において着実にシェアを拡大している。両市場において「AMD64」アーキテクチャが好調で,AMDはそれぞれの市場で22%以上のシェアを獲得している。

 ・AMDはIntelのCoreマイクロアーキテクチャとの競争に直面しているが,AMD64製品ライン全体にDDRサポートを追加して強化した。現在65ナノメータの製造技術に移行している。

 ・AMDはプラットフォームの強化を目的として,サーバー向け「Torrenza」構想やプラットフォーム管理技術を提供する「Trinity」構想などを通じてパートナ企業と協力を進めている。

・Intelとの競争激化およびATIの買収の影響は,今後12カ月間は表面化しないと考えられる。

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