サード・パーティによる無効クリックの調査報告が「誇張」である。米Googleは独自に実施した無効クリックに関する分析の結果を米国時間8月8日に発表した。同社Trust & Safety部門ビジネス製品担当マネージャのShuman Ghosemajumder氏は公式ブログへの投稿で,「この分析により,一部のコンサルタントがクリック詐欺に関する調査で犯している基本的な間違いが分かる」と述べている。

 Googleは,多くのクリック詐欺コンサルタントが実際の広告クリックを測定するのではなく,Webページへの訪問数などのデータを材料にしていると指摘。その結果,Webページの再読み込みや,広告から移動した広告主サイトへの訪問もカウントしているため,無効クリック数が積み重なると説明する。

 例えばユーザーが広告主のWebサイトを詳細に閲覧して「戻る」ボタンをクリックした場合,元のページは再読み込みして表示される可能性があり,クリック詐欺コンサルタントはこれをカウントする。「実際には,Googleの広告はクリックされていないにもかかわらず」(同氏)無効クリックとして判断する。

 また,コンサルタントがユーザー行動追跡のために,広告主の広告ネットワーク内でクッキーを利用することがあるが,これも余計な重複クリックをカウントする要因になるという。

 「このように測定手法に不備があるので,コンサルタントの調査結果は人為的に誇張された数値になる。当社のログでは無効クリックが850回の広告について,あるコンサルタントの調査は1278回が無効であると報告していた」(Ghosemajumder氏)。

[Ghosemajumder氏の投稿]
[Googleの分析レポート(PDF)]