米国復員軍事省(VA)のデータが再び流出したことを,米Unisysが米国時間8月7日に明らかにした。同社がVAの保険料管理システム向け保守およびサポートに使用しているデスクトップ・パソコンが紛失したという。

 Unisysによると,デスクトップ・パソコンに格納されているVA関連のデータは,VAの医療センターで診察を受けた退役軍人の決済記録で,氏名,住所,社会保障番号,誕生日などの個人情報や,一部医療情報とともに保険申請日などが含まれる。

 対象となるのは,フィラデルフィア医療センターの患者約5000人とピッツバーグ医療センターの患者約1万1000人,および死亡患者約2000人。また,「ピッツバーグの医療センターを通じて治療を受けたほかの約2万人の情報が含まれている可能性についても調べている」(Unisys)。最大3万8000人に上る可能性がある。

 Unisysは,パソコン紛失に気づいて即座に広範な調査を開始するとともにVAに報告。VAや当局と協力して捜査にあたっているという。米メディアの報道(internetnews.com)によれば,VAへの報告は8月3日だった。

 Unisysは「個人情報保護の責任についてたいへん深刻に受け止めている」と述べている。

 VAでは5月に,退役軍人約2650万人分のデータが保存されているコンピュータが同省分析担当者の自宅から盗まれる事件があったばかり。なおこの際のコンピュータと外付けハード・ディスク装置は6月に捜査当局が発見している(関連記事)。

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