米Cisco Systemsは米国時間8月7日,公共安全の指揮系統通信を統合するプログラム「Solutions with Advanced Technologies(S.W.A.T.)」を発表した。同プログラムは,緊急応対と作業効率を向上させるために911緊急ダイヤル,無線,衛星,気象警報,ビデオを含むすべての緊急通信を統合するように設計したもの。緊急対応機関によるIPベースの通信プラットフォームへの移行を支援する。

 S.W.A.T.は,同社の「Instant and Mobile Integrated Communications Solution(IMICS)」を利用する。IMICSは,警察,消防やそのほかの緊急対応機関がVoIP,Web接続,ホットスポットといった通信機能を迅速に導入できる機能を提供。緊急時またはハリケーンなどにより従来のネットワーク機能が停止した時に,VoIP,Web接続,ホットスポットといった通信サービスを迅速に利用できるようにする。

 そのほかにも,Ciscoのパートナであるオンライン気象情報の米AWS Convergence Technologiesとの提携を通じて周辺地域に的を絞った最新の気象情報や,緊急状況下において現場の第一対応対応者による情報へのアクセスと通信を可能にする屋外向け無線ネットワーキング・ソリューション,ビデオを使った監視と会議を可能にするモバイル・ビデオ・キットなどを提供する。

 同社がリリースで引用したCrimson Consulting Groupの調査結果によれば,公共安全機関が直面する5つの課題として,相互運用性の無い通信技術,人材不足,共有される情報の不足,技術の遅れ,取り組みに関する伝達と統合手段の欠如が挙げられている。Ciscoは,S.W.A.T.を通じて指揮系統全体における迅速な情報の収集および共有を可能とする手段を提供することにより,これらの課題への対応を支援するとしている。

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