IEEE1394の標準化を進める業界団体1394 Trade Association(1394 TA)と高品位オーディオ/映像(HDAV)製品の設計ガイドラインを策定する団体High Definition Audio-Video Network Alliance(HANA)は,コロラド州キーストーンで開催中(米国時間8月6日~9日)のCableLabs Summer Conferenceで,家庭用同軸ケーブルと超広帯域(UWB)通信技術を組み合わせた1394ベースの映像配信システムをデモンストレーションする。両団体が8月4日に明らかにしたもの。

 同システムを利用すると,既存の同軸ケーブルを利用して家庭内のどこでにでも映像を配信できる。従来のケーブル・テレビ(CATV)や衛星放送との共存も可能という。通信速度は1Gbpsで,アプリケーション層のデータ転送速度は400Mbpsとなる。2年後には800Mbpsに高速化する計画。

 同システムはQoS機能やコンテンツ保護機能を備える。IP通信に対応しているほか,米連邦通信委員会(FCC)の各種規定も満たしている。

 複数の半導体メーカーが対応を表明しており,2007年の早い時期に対応LSIが利用可能になる見込みだ。また米Microsoftは,Windows Vistaで対応を予定している。

 CableLabs Summer Conferenceのデモンストレーションは,同軸ケーブルを使い,高精細テレビ(HDTV),パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR),DVDプレーヤ,マルチメディア・パソコン,セットトップ・ボックス(STB),NASなどによるネットワークを作る。既存の同軸ケーブル・インフラを改造せずQoSとコンテンツ保護が可能なことも示す。

 なお,デモンストレーション環境では,米Pulse~LINK,米Freescale Semiconductor,韓国Samsung Electronicsの開発した技術を利用する。

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