米連邦通信委員会(FCC)は,既存の無線サービスを防護しながら電力線利用の広帯域アクセス「Access Broadband over Power Line(Access BPL)」システムを展開するための規則を承認した。FCCが米国時間8月3日に明らかにした。目的は,広帯域サービスの利用促進。免許を受けている無線サービスに対して干渉を起こした場合,委員会は適切な対応によって状況を修復するという意向を明らかにしている。

 FCCは2004年10月,BPLに関する規則を制定した。それに対して,再考の申し立てがなされていた。同日の決定は,この申し立ての回答になるもの。同日承認した覚書意見および指令(Memorandum Opinion and Order)では,Access BPLのメリットを提示するとともに,他の通信への干渉問題に対応する取り組みの再確認,免許を受けた無線サービスの妨害を回避するために規則Part 15を改正したことを強調している。

 具体的には,無線サービスへの干渉を防ぐために,BPLの漏洩電界を規則Part 15の規定値より20dB低減するように規則を改正したことを確認。特定の周波数におけるBPLの提供の禁止を求めるアマチュア無線コミュニティ,テレビ放送局,航空業界からの要望を却下している。

 米国では,2005年10月に米Communication Technologies(COMTek)が,バージニア州マナッサス市でBPLの商用サービスを開始した。同市との提携を通じ,市内全域をサービス地域としている。また,2005年12月には米CURRENT Communications Groupが,テキサス州の電力会社である米TXU Electric Deliveryのサービス地域にある約200万社/世帯にBPLサービスを提供することで同社と合意している。

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