米Fellowesは,米国市民の身元情報窃盗(ID盗難)に対する意識調査の結果を米国時間8月3日に発表した。それによると,米国市民の81%は「身元情報窃盗はいつでも起こる可能性がある」と考えており,認知度が高かったという。しかしFellowesは,「身元情報窃盗に関する実際の状況を十分認識していない場合や,誤解している場合がある」と指摘した。

 調査は,身元情報の不正使用に対抗する非営利団体Identity Theft Resource Center(ITRC)の協力を得て,米国在住の1000人を対象に電話インタビュー形式で2006年6月初めに実施した。

 回答者の半数は「身元情報窃盗に無防備」と感じており,3分の2が「身元情報窃盗に対抗するツールや手法を使っている」と答えた。具体的には,「個人情報の記載された可能性のある文書を細かく破る」(73%),「銀行口座とクレジットカードの明細書を定期的に確認する」(82%)といった対策をとっている。

 身元情報窃盗が発生しやすい状況について質問したところ,40%弱は「オンライン取引が最も発生しやすい」と答えた。ところが,Fellowesによると「オンライン取引にかかわる身元情報窃盗の割合は全体の9%に過ぎず,多くは書類や盗まれた情報が原因」という。「米国で発生する身元情報窃盗のなかで,個人的な財務情報の入った財布や,クレジットカードなどが盗まれたことによる情報流出が一番多い。この事実を知っている米国市民は5分の1に満たない」(同社)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・身元情報窃盗のうち,15%は被害者の家族や友人が犯人だった。しかし「家族や友人が身元情報を盗む可能性がある」と考える人は6%しかいなかった

・身元情報窃盗の被害者が最も多かったのは18~29歳の年齢層で,60歳以上は全体の8%だけだった

・米国では身元情報窃盗の報告が1日当たり2万4000件以上ある

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