米Time Warner傘下のAOLは,9月初旬をめどに,同社が提供する多くのブロードバンド向けサービスおよびソフトウエアを無料化する。Time Warnerが米国時間8月2日に明らかにしたもので,無料化するサービスやソフトウエアには電子メール,セキュリティ,インスタント・メッセンジャ,ストレージなどが含まれる。まずセキュリティ・ツール「AOL Safety and Security Center」の無償提供を発表した。

 Safety and Security Centerは,アンチウイルス・ソフトウエア,スパイウエア防止,ファイアウオール,フィッシング対策機能などから成る。対応OSは「Windows XP」および「同2000」。

 アンチウイルス・ソフトウエアとファイアウオールは米McAfeeの技術を採用。スパイウエア防止機能「AOL Spyware Protection」は米CAの「eTrust PestPatrol」をベースにする。フィッシング対策機能については,米RSA SecurityのCyota,米MarkMonitorおよび米Cyveillanceと協力する。

 9月より,親が子供のインターネット利用を監視するための「Parental Controls」をSafety and Security Centerに組み込む。

 AOL Safety and Security Centerは,AOLスクリーンネームを使って同社Webサイトからアクセス可能。AOLスクリーンネームは「AOL.com」で無償登録できる。なお,過去2年以内にAOLサービスを解約した元メンバーは,以前のスクリーンネームとパスワードを利用できる(事前にAOLソフトウエアまたはAOL Mailにログインする必要がある)。

 同社は今後数週間にわたって,無償の新製品やソフトウエアのアップデートを発表する。ビデオや検索関連のサービスも対象となる。同社によると,無料化はオンライン広告ビジネスを拡大するための施策であるという。「ブロードバンドの利用とオンライン広告の爆発的な増加の波に乗るためにAOLが次に踏み出すべきステップ」(Time Warner社長兼COOのJeff Bewkes氏)。

 なお,有料のダイヤルアップ・サービスの提供は今後も継続するが,積極的な営業は行わない。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]