米Rambusと韓国Hynix Semiconductorのあいだで争われているメモリー関連技術の特許訴訟で,Rambusは,Hynixの損害賠償支払いを1億3360万ドルに減額することを受け入れた。Rambusが米国時間7月27日に発表した。カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所の陪審員団は当初,損害賠償額を3億690万ドルと算出したが,同裁判所の判事は減額を認めるようRambusに求め,Rambusがこれに応じたもの。

 Rambusによると,陪審員団はRambusがこの訴訟で問題としていた10件の特許クレームについて,その有効性とHynixによる侵害を認定。 これにともない,Hynixが2000年6月から2005年末にわたって米国で販売した一部のSDRAM,DDR SDRAM,DDR2メモリー製品を対象に,3億690万ドルの賠償命令を下した。しかし同裁判所の判事は2006年7月14日,Rambusが賠償金の減額を受け入れなければHynixによる再審申し立てを受理するとしていた。

 米メディア(InfoWorld)によると,同裁判所のRonald Whyte判事は当初の3億690万ドルという賠償金額について,「正当と認められないほど高額」と述べたという。

 なおRambusは,この損害賠償の対象に含まれていない2006年1月1日以降の特許侵害行為について,今後も裁判で争う。審理は2006年8月21日に始まる予定。

 両社の係争は,2000年8月にHynixがRambusを訴えたことに始まる。Hynixは「Rambusの11件の特許が無効であり,侵害はない」と主張。Rambusはこれに反訴した(関連記事その1その2)。その後,審理の対象は10件の特許に絞られ,今回の損害賠償支払いが決定した。Rambusは,特許を侵害しているメモリー製品の製造,使用,販売,輸入の恒久差し止め命令も求めており,この判決は今夏に言い渡される見通しという。

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