市場調査会社の米ABI Researchは米国時間7月27日,家庭用および携帯型オーディオ機器市場に関する調査結果を発表した。それによると,米Apple Computerの有料音楽配信サービス「iTunes Music Store(iTMS)」が,単なる「iPod」事業の一環という枠組みを脱し,競合を押しのけて家庭用ビデオ/オーディオ・サービス市場に食い込んでいく可能性があるという。

 ABIは,家庭用ビデオ/オーディオ・サービス市場について,まだ市場競争は始まったばかりとの見解を示しつつも,Appleの有利を認める発言をしている。同社リサーチ責任者Vamsi Sistla氏は,「携帯型音楽プレーヤ市場では,(米Microsoftの「Zune」プラットフォーム戦略が成功しないかぎり)Appleの一人勝ちと言い切れるが,家庭用娯楽機器およびノート・パソコン向け(サービス)市場では,まだすべての企業にチャンスがある。しかしAppleは,iTMSサービスで他社より早く家庭用オーディオ/ビデオ市場に切り込んでいける可能性が高い」と述べる。

 「消費者が求めるのは,iTMSでダウンロードした音楽やテレビ映像を,高性能の家庭用デジタル・メディア機器に転送して楽しめることだ。そのためには,iPod用アクセサリの拡充や家庭用デジタル機器との接続性などが鍵を握るだろう」(Sistla氏)

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