Free Software Foundation(FSF)とソフトウエア関連の法律問題を手がける米国の団体Software Freedom Law Center(SFLC)は,ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)の新版「GPL version 3(v3)」について,草案第2版を公開した。両団体が米国時間7月27日に明らかにしたもの。FSFのWebサイトからダウンロードできる。同版には,ライブラリなどに適用するためのライセンス「GNU Lesser General Public License(LGPL)version 3」の初版も入っている。

 GPLは,FSFの創設者であるRichard M. Stallman氏がGNUフリーOSプロジェクト向けに1989年に作成したライセンス。Linuxなどが採用しているオープンソースの主要ライセンスであり,現在フリー/オープンソース・ソフトウエア(FOSS:Free/Libre and Open Source Software)のおよそ4分の3が同ライセンスを提供しているという。

 GPLの目的について,Stallman氏は「フリー・ソフトウエアを利用,共有,改変するというユーザーの自由を守ること」と説明する。1991年に現行のGPLv2が作成されてから約15年が経過し,「フリー・ソフトウエアの開発,配布,利用環境は劇的に変わった」(FSF,SFLC)

 GPLv3の草案第2版は,2006年1月公開の草案初版に寄せられた1000件弱の意見を参考に,改訂を施した。初版に対しては,Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏がデジタル著作権管理(DRM)技術の取り扱いに反発し,LinuxカーネルのGPLv3移行を拒否する姿勢を表明していた(関連記事)。

 FSFとSFLCはDRMに関する条項に手を加え,DRMがGPSv3適用ソフトウエアの共有や改変を妨げることに使う特定の場合に限り,DRMを直接制限することとした。「GPLv3はDRM機能の実装を禁止しないが,『DRM機能を除去できないようにしてユーザーに不利益を与える』といったことは阻止する」(FSF,SFLC)

 GPLv3の草案第3版は2006年秋に,最終版は2007年1~3月に公開する予定。

[発表資料へ]